プロジェクト計画のステップ別ガイド
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プロジェクト計画は、多くのプロジェクト管理チームにとって非常に難しい作業となる可能性があります。適切な構造がなければ、チームを調整し、要素を効果的に文書化し、キャパシティを管理し、コンテキストを一元化することは困難です。
このプロセスには、現代ならではの難しさもあります。ほとんどすべてのチームが計画プロセスにオンラインの要素 (その多くが完全にデジタル化されている) を抱えるようになった今日では、プロジェクトリーダーは、関係者の意見の収集方法、チームメンバーが必要なプロジェクト情報を見つける方法、適切な人材をまとめるのに必要なソフトウェアなど、アプローチを最適化する必要があります。
今回は、こうしたプロセスに関する専門家の意見を聞くため、当社 Lucid の2人のベテランプロジェクトマネージャー、Bounta Nomichith (プログラムマネージャー) と Alyssa Craig (プログラム管理担当シニアマネージャー) に話を聞く場を設けました。このガイドでは、プロジェクトの計画方法についてわかりやすく説明していきます。
プロジェクト計画とは?
プロジェクト計画とは、定義されたパラメーター内でプロジェクトの目標を達成するために必要なタスク、時間枠、リソースの割り当て、取り組みの概要を示した包括的なロードマップを指します。プロジェクト計画を綿密に行っていれば、以下のような問いにも答えられるはずです。
- 主な成果物は?
- プロジェクトのマイルストーンは?
- チームは指定期間内にどの ようにこれらのマイルストーンに到達するのか?
- プロジェクトチームには誰が参加しており、どのような役割を果たしているか?
- フィードバックを提供すべき関係者は誰で、その意見はいつ必要か?
プロジェクト計画を、プロジェクト憲章、コミュニケーション計画、リスクアセスメントなどの文書で補完することもできます。
プロジェクト計画はプロジェクト概要とは異なることに注意しましょう。Nomichith はこの違いについてこう説明します。「プロジェクト概要は、プロジェクト計画を大局的かつ簡潔にまとめたもので、チームが関係者と共有するためのものです。この概要にはプロジェクトに必要不可欠な情報のみが含まれますが、プロジェクト計画にはプロジェクトのすべての要素に関する詳細情報が含まれます。」
また、プロジェクト計画の作成方法は状況によって異なります。Craig はこう説明します。「綿密なプロジェクト計画とは、具体的で意図的なものであり、計画を読む全員が背景情報やコンテキストすべてを知っているとは想定せず、そうした情報を最初から提供し、チームが知るべき情報 (スペックや必要な指示など) を予測するものです。こうした計画があることで、チームは権限とサポートを与えられていると感じられ、計画はプロジェクト全体を通じて役立つリソースとして活用されることになります。
これに対し、質の悪いプロジェクト計画はあいまいで、チームが何をどういう理由で作成しているのかがわからなくなり、副次的な会話が多数必要になったり、全体的な不満を助長することになります。こうした計画には役立つ情報が十分含まれておらず、作成後に参照されることもありません。」
プロジェクト計画に関する一般的な課題
プロジェクトマネージャーは、組織がゲームに勝つための監督のような役割を果たし、チームを勝利 (この場合はプロジェクトの完了) に導く責任を負います。こうした戦略的プロセスには、駒を配置し、確実に正しい手を実行するようにし、駒を誘導すること (脱線したときの介入も) 含まれます。
ご想像のとおり、プロジェクトマネージャーは、この複雑なプロセスで次のような多くの課題に直面します。
- チームが仕事のビジョンを把握できるように支援
- 効果的な文書記録を維持
- 大規模または複雑なプロジェクトでのキャパシティ管理
- 対立の克服とフィードバックへの対応
- 関係者に有意義な方法で最新情報を提供
- コンテキストと情報を一元化
こうした課題の多くをさらに悪化させる要因となっているのが、従来のプロジェクト計画ツールに限界があるという点です。従来のツールは、一般に操作が複雑で、情報を一目で確認しにくく、シームレスなコラボレーションに対応できるほどプロジェクト管理ソフトウェアの柔軟性やインタラクティブ性は高くありません。
これらの悩みを解決するために、作業に適したツールを選択するためのヒントを含め、計画プロセスのステップ別ガイドを作成しました。
プロジェクト計画の作成方法 : ステップ別のチュートリアル
ここからはプロジェクト計画の作り方を学んでいきます。プロジェクト計画は複雑で、微妙なニュアンスを含みます。ここでは、計画プロセス全体を詳しくお伝えします。ガイドを進める際には、プロジェクト計画キャンバステンプレートも活用してください。
1. プロジェクトの計画のためのプラットフォームを選択する
優れたプロジェクトの計画の作成には、目標を支えるツールが必要です。チームのニーズに対応できないツールでは、重要な目標や目的に向けた進捗が著しく妨げられることになりかねません。
このような問題を回避するに は、プロジェクトに関連するコミュニケーションを一元化できるよう、柔軟で拡張性があり、かつ対話を促進するプロジェクト管理プラットフォームを選択する必要があります。
ビジュアルコラボレーションソフトウェアは、プロジェクトマネージャーが管理に適したプラットフォームを探す際に直面する多くの課題に対する優れた解決策となります。こうしたソフトウェアを使用すると、コラボレーションを促進し、関係者のコミュニケーションを合理化し、プロジェクト管理での直接的な対話を促進できます。
そして、一番の利点は?Lucid のビジュアルコラボレーションプラットフォームは、人気のプロジェクト管理ソフトウェア (Asana、Jira、Smartsheetなど) と連携します。
ビジュアルは複雑な情報を抽出するのに役立ち、ファシリテーターがプロジェクトの計画を効果的に伝えるための便利なツールとなります。こうしたプラットフォームは、プロジェクト管理ソフトウェアと連携して使えます。
ビジュアルコラボレーションプラットフォームにおける5つの危険信号
ビジュアルコラボレーションプラットフォームを選ぶ前に、評価において注意すべき5つの危険信号に関するブログ記事をチェックし ておきましょう。
もっと読む2. プロジェクトの詳細を定義する
プロジェクト計画プラットフォームを選択したら、次のようなプロジェクトの詳細の定義から始めます。
- 目標と目的
- オーディエンス
- 成果物
- プロジェクトチームのメンバー
- ステークホルダー
- ツールとシステム (必要な場合)
プロジェクトの目標
プロジェクトの目標と目的を決定するには、次のことを自問してみましょう。
- 主な目的は?
- 解決したい問題は?
- プロジェクトが重要な理由とは?
- これは戦略計画とどう関係するか?
- それは他の優先事項、方向性、目標とどう関連するか?
- これは当社の競争力にどんな影響を及ぼすか?
プロジェクトの対象者
次に、プロジェクトの対象者を誰にするかを決定します。目的は特定のペルソナ向けに営業資料を作成することでしょうか、それとも一部のユーザーにサービスを提供する新機能のリリースでしょうか。
次のような質問を自問すると、チームメンバーがタスクに着手する際に明確なイメージを描けます。
- このプロジェクトは誰のためのものか?
- 特定のペルソナ、目標到達プロセスの段階や対象者はすでに決まっているか?
- この対象者からのデータはあるか?
プロジェクトの成果物
プロジェクトの成果物の説明なくしてプロジェクト計画は完成しません。プロジェクト計画に参加したチームメンバーや関係者は、結果として期待されることを知りたがります。何を作 ることが求められているのかを説明して欲しいのです。
成果物を定義するのは、ほとんどの場合、プロジェクトマネージャー、一人の仕事ではありません。関係者から特定の成果物の要求があるかもしれませんが、要求がない場合は、プロジェクト計画の他の内容に基づき、チームの意見を聞くのがよいでしょう。
プロジェクト計画キャンバステンプレートに沿って進めている場合は、ボードのプロジェクト成果物セクション内に他のプロジェクトの要件、期待、コミュニケーション内容を含めることもできます。
プロジェクトチームと関係者
次のステップでは、プロジェクトチームと、意見の提供や承認を行う関係者に関する情報を含めます。全員が明確な役割と責任範囲を持ち、それらがプロジェクト計画に明示的に記載されていることを確認します。
3. 成功の指標を設定する
明確な成功の指標を設定することで、プロジェクトチームと関係者に、大規模かつ複数の部門にまたがる複雑なプロジェクトであっても、指針となる目印を提供することができます。指標は重要なチェックポイントとして機能し、進 捗状況の評価だけでなく、取り組みを企業全体の目標に合わせて調整する上でも有効です。プロジェクトの進捗状況や全体的な軌跡についてチームが明確な物差しを持てるよう、成功の指標を決定します。
プロジェクトに関して、解決策の提案や成功とする指標の説明から始めるのもよいでしょう。
次に、プロジェクトの主要業績評価指標 (KPI) を確立します。明確かつ定量化可能な KPI を設定するようにしましょう。シンプルで、短期、中期、長期にわたって測定しやすい KPI にすることが重要です。
成功の尺度には定性的なものも定量的なものもあり、この両方を含めることが重要です。
Craig はこう説明します。「KPI に加えて、チームの連携の向上、コミュニケーションの改善、ストレスの削減、類似のプロジェクトといった定性的な成功指標も存在します。どちらも妥当なものであり、認識しておく必要があると思います。」
Nomichith は、創造性のレベル、顧客満足度、効率性、従業員満足度、個人満足度などの定性的な指標を定期的に使用して成果を測定しており、定量的指標としては、顧客維持率、市場シェア、収益性などを挙げています。
成功を示す指標を決定するときは、定性的指標と定量的指標を含めることを検討し、こうした指標がチームにとって明確に定義されていることを確認するようにしましょう。
4. アクションアイテムを決定する
プロジェクトの本質は、大規模かつ複雑なタスクを、より小さく、管理しやすいタスクに分割することにあります。この過程でアクションアイテムを決定します。
アクションアイテムは、責任者、期限、タスク関連の詳細、関連文書、依存関係、関連する協力者に関する情報を含め、詳細かつ明確に設定する必要があります。
アクションアイテムを決定するには、成果物をプロセスのガイドとして使えるようにするのが最も手軽です。各成果物を小さな部分に分割していき、チームが実行できるタスクに落とし込みます。タスクの責任者やタスクを完了すべきタイミングが明確になり、割り当て可能なサブタスクが完成するまでこのプロセスを続けます。
お役立ちヒント : プロジェクトが複雑すぎて、プロジェクトチームの意見がなければアクションアイテムを正確に決定できないそれでも大丈夫!成果物の細分化に時間をかけず、プロジェクトのキックオフミーティングまで待って、それぞれの成果物を完成させるプロセスへのアプローチ方法についてチームから意見を集めるようにしましょう。
5. チームのキャパシティを決定し、 工程表を作成する
次に、こうした実行可能なタスクを勘案して、プロジェクト全体の工程表を作成します。これを行うには、チームのキャパシティを判断する必要があります。
一般に使用されているプロジェクト管理ツールの多くは、作業の追跡には優れていますが、プロジェクトに関する重要なリソースやタイミングの決定に必要なビジュアル形式でのレポートを提供しません。こうした要素の可視化には、スマートなダッシュボードが必要です。
チームのキャパシティを視覚的に参照できれば、プロジェクトの工程表を簡単に構築できます。
次に、プロジェクトの工程表に取り掛かります。作業の完了タイミングを計画する際には、主要なマイルストーン、依存関係、タスクの所有者を視覚化します。潜在的なリスクを事前に特定し、軽減するのに役立つプロセスです。Craig と Nomichitch は、工程表を明確にし、関係者と簡単に共有して意見を得られるように、このステップでビジュアルコラボレーションプラットフォームを使用することを推奨しています。
ビジュアルコラボレーションプラットフォームのもう1つの利点は、その名の通りコラボレーションに最適なことにあります。プロジェクト管理ソフトウェアを使って計画を整理し、ビジュアルコラボレーションプラットフォームを使ってリアルタイムまたは非同期で可視化することで、コラボレーションできます。
6. プロジェクトキックオフミーティングの進め方
プロジェクトの計画が完成したら、チームメンバーを集めてキックオフミーティングを開きます。まず、プロジェクトチームのメンバーを紹介し、お互いを知り合います。このステップは、チームが複数の部署にまたがり、メンバーが普段一緒に仕事をしていない場合は特に重要です。そこから、プロジェクトの計画にまとめた内容を見直します。
こうした内容すべてをキャンバス上で一元化して見える化すれば、プロジェクトチームのメンバーや関係者と簡単に共有でき、全員で共通認識を保ちながら前に進め るようになります。
お役立ちヒント : 効率的な議論に全員ですぐに取り組めるよう、キックオフミーティングの前に、チームメンバーや関係者と計画を共有する必要があります。
チームの意見を取り入れてからアクションアイテムの決定や成果物の細分化を行う予定であれば、この場でこうした要素について議論していきます。キックオフミーティングが完了する時点で、プロジェクトの実行方法について全員の意見が必ず一致しているようにしましょう。
7. プロジェクトの進捗状況を監視する
プロジェクトの進捗状況の監視方法は、プロジェクトマネージャーによって異なり、このプロセスを進める方法にはさまざまな選択肢があります。
例えば、Craig はこう説明します。「これを測定する最も簡単な方法は、期限切れのタスクやマイルストーンの未達を記録しておくことです。プロジェクトのペースが最初から決まっていれば、そのペースに合わないタスクを簡単に特定でき、プロジェクトが目標から外れていることやその危険性があることを示せます。」
一方、Nomichith はこう語ります。「完了したタスクをプロジェクトの成功と見なしたり、プログラムやプロジェクトの終了と見なしたりすることはありません。プロジェクトの成功とは、チームの働き方、効率やプロセスの変化、そしてその後のメンテナンスが拡張可能になったことだと考えています。」
最も重要なことは、チームとしての完了の定義を事前に確立することです。プロジェクトの詳細 (完成させるべき成果物など) を決定し、成功を示す指標を明確に設定すれば、プロジェクトを確実に軌道に乗せるために必要なものが揃うはずです。
進捗状況を把握し、関係者に最新情報を伝えるには、チーム内で定期的に確認を行うことが有効です。方法としては、定期的な会議を予定したり、プロ ジェクトチーム専用のコミュニケーションチャネル (Slackなど) を作成したりすることができます。
プロジェクト計画での進捗状況の監視には、工程表も役立ちます。チームや関係者がいつでも進捗状況を一目で確認できるように、情報を常に最新の状態に保つようにします。
Lucid でプロジェクト計画を作成する
プロジェクト管理は複雑で、成功に必要となる大量のコミュニケーションと追跡を支援するためには複数のツールが必要となります。プロジェクト管理と計画を主催し、こうしたツールと文書すべてを統合するプラットフォームを探す場合には、Lucid を選択しましょう。
Lucid ユーザーはプロジェクト計画の際に平均で週あたり2.4時間を節約しています。こうした時短効果は、プロジェクト管理アプリ (Asana、Jira、ClickUp、Airtable、Smartsheet、Trello、monday.comなど) との緊密な連携と複雑な情報を分かりやすくするビジュアルの力からもたらされるものです。
Lucid を使用すると、タスク情報などの詳細をプロジェクト計画ボードに直接取り込んで情報を一元化し、チームメンバーに唯一の信頼できる情報源を提供できます。
Lucid について
Lucid Software は、チームが将来を見据え、築くための支援に特化したビジュアルコラボレーションの先駆者でありリーダーです。その製品である Lucidchart、Lucidspark、Lucidscale を活用することで、チームはアイデア出しから実行に至るまで共通のビジョンを抱き、複雑な内容も分かりやすく理解できるビジュアル主体のコミュニケーションをあらゆる場所から実現できるようになります。Lucid は、Google、GE、NBC Universal などの顧客や、Fortune 500 企業の 99% を始めとする世界中の主要企業にサービスを提供しています。Lucid は、Google、Atlassian、Microsoft などの業界の主要企業と提携しており、創業以来、製品、事業内容と企業文化を称える各種の賞を多数受賞しています。詳細は lucid.co を参照してください。